ヒトの組織細胞は、約 6 ~ 7 年ごとに新しい細胞に置き換わります。これらの老化した細胞は死にますが、再生能力を持つ新しい細胞のために、人間の生命は死にません。しかし、神経細胞には再生の可能性がなく、その老化と死は、人体の全生命の老化と死につながる可能性があります。人間の老化は、まず第一に、中枢神経系と自律神経系の正常な機能に対する損傷であると現在考えられています。神経系は身体の調節を主導する役割を担っており、例えば身体の内部環境の安定状態が崩れると老化が起こります。色素の蓄積は、一般的に老化した組織に見られますが、この色素は脂質の酸化によるものであるため、活性酸素による細胞膜上の脂質やタンパク質の損傷も老化の要因であると考えられています。